伝わらないのは何故? -4Why can't it be conveyed? -4

前回は、誤解やすれ違いを減らす近道についての内容でした。
今回は、コミュニケーション力のエッセンスについて触れてみたいと思います。

日頃「伝わらない」「わかり合えない」と感じるのは、単なる説明不足というだけではないことが多いと思います。つまり、コミュニケーションの質にその要因があると考えます。

コミュニケーションの上手な人は、コミュニケーションを成熟させるセンスがあるようです。失敗をしたとしても、それを単なる失敗で終わらせずに、失敗した内容を分析し、次へのステップ繋げていくことができています。このプロセスを身に着けていることが強みになっていると考えます。

更に、コミュニケーションの上手な人は、説明に手間を惜しんでいません。相手の受け方、考え方が異なっていてもそれを受け入れ、理解してもらえるよう丁寧に言葉を選び、表現を工夫して話をすることができます。

相手をコントロールするのではなく、相手を尊重し、相手が自ら成長できるよう、導くような関わり方をしています。これができる人はリーダーシップをとれる人なのでしょう。

コミュニケーションの上手な人は、「聞く耳」を常に持つことができます。耳が痛くなるような報告や、ネガティブな内容であっても、すべて温かく受け止めることで、信頼や安心を与えることができるのです。

「伝わらない」「わかり合えない」という障壁を越えるには、相手に歩み寄る心遣いや、失敗を受け止めて改善に繋げる行動力、コントロールするのではなく信頼を基にした関係性をつくること、聞く姿勢が不可欠であるということです。

次のような場面では、こんな対処ができると良いと思います。

〇業務において発生したミスに対し、上司が部下に正しい業務手順を説明したにも関わらず、また同じミスが発生してしまう。ここで多くの人は「またか…」とため息をついてしまったり、呆れたり、怒りを伴うでしょう。このような時の対処では、部下に対して「どの部分が難しかったのか」などの質問をしてみます。そこから判明した原因に対し、再発防止の仕組みを業務標準に反映します。これにより、同じミスが発生する確率を低くすることができるのです。

〇部下が期限に遅れそうな時に、「早くしろ!」と急かすのではなく、「何が一番問題なのか」を聞き取ります。部下が抱えている仕事に対して優先順位を整理してあげることで、部下は自分の状況を理解してもらえたという安心感を持ち、結果的に動きが早くなり、納期遅れを回避することができます。このような対応は、部下を動かすというより、一緒に取り組んでいるという姿勢を見せることがポイントになります。

コミュニケーションの難しさは、どれだけ説明に工夫を重ねても一発でわかり合えないことです。試行錯誤してコミュニケーションをとる努力をしてもなかなか満足いくものにならないのが現実です。コミュニケーションの上級者になるためには、たくさんのやり取りや失敗の中で、徐々に相手の反応や文脈を敏感に感じ取れるようになるその感覚を蓄積することです。

相手のスキーマを想像しながら説明の組み立て直しを怠らず、異なる立場や立ち位置の違う人とも目線を揃えようとすることが大事です。これがビジネスにおける高いコミュニケーション力のエッセンスになっています。

長くなりましたが、「なぜ伝わらないのか」について理解を深めることができたでしょうか?
自己分析と改善、行動力、経験値を重ねて、より高いコミュニケーション力を身に着けられるようになりたいですね。

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