職場のモラルハラスメント -2Moral harassment in the workplace -2

前回は、職場でのモラハラについて紹介しました。
今回は、職場のモラルハラスメントについて、経営者や管理者として気を付けるべきこと、一般社員が気を付けるべきことに着目してみたいと思います。

職場のモラルハラスメントは、暴言や露骨な差別だけでなく、無視、過度な業務管理、人格否定的な評価、情報遮断など、外形的には正当な業務指示やコミュニケーションと区別がつきにくい形で生じることがあります。

経営者や管理者、一般社員のいずれにとっても「自覚なき加害」「黙認による拡大」が起こりやすい問題です。

経営者や管理者の立場において最も重要なのは、モラルハラスメントを個人間の相性問題や感情的衝突として矮小化せず、組織リスクとして明確に認識する必要があります。

ハラスメントは被害者の心理的健康を損なうだけでなく、生産性低下、離職率の上昇、訴訟や社会的評価の低下といった経営上の損失に繋がるため、「許容しない」という明確な方針を就業規則や行動規範に具体例を含めて明文化するのが良いでしょう。

また管理者自身が評価権限や指導権を持つ立場であるがゆえに、指導と攻撃の境界が曖昧になりやすいことを自覚し、感情的な表現や公衆の面前での過度な指摘を避けること、業務量や目標設定が合理的かを常にチェックする姿勢が必要であると考えます。

さらに、相談窓口の整備を構築し、訴えが上がった際に被害者・加害者のいずれかを先入観で決めつけず、事実確認と是正を迅速に行うことが、問題の長期化や二次被害を防ぐ鍵となります。

一方で一般社員にとっても、モラルハラスメントは「上司から受けるもの」に限らず、同僚間や部下から上司への形でも発生しうることを理解し、自らの言動が相手の尊厳を損なっていないかを省みる姿勢が重要になります。

冗談や指摘のつもりであっても、繰り返し行われる否定的発言や孤立させる行為はハラスメントになることがあります。業務上の必要性と相手への影響を意識したコミュニケーションを心掛ける必要があります。

また被害を受けた場合には、我慢や自己責任として抱え込まず、事実を記録し、信頼できる上司や窓口に早期に相談することが、状況の悪化を防ぐ上で重要になってきます。

明確な被害者でなくとも不適切な言動を見聞きした際には沈黙せず、組織として是正する雰囲気づくりに関与することができる職場が理想ですよね。

総じて、職場のモラルハラスメント対策は特定の個人の資質に依存するものではありません。
経営者・管理者が制度と文化を整え、一般社員が日常的に相互に尊重を実践することができて初めて機能するものであると考えます。

「成果を出すためには多少の圧力は仕方ない」という古い価値観を見直し、人の尊厳を前提とした健全な業務関係を維持することが、持続可能な組織運営の基盤であると考えます。

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