前回のデシケータ製作の続きになります。
除湿の効果が不十分であった結果に納得いかず
その後、検証を重ねた内容になります。
製作したデシケータに使用した湿度計はAmazonで販売している安価なものでした。
画像のようなコンパクトで、取付に適していたので飛びつきました。
この湿度計が示す値が妥当なのかを調査するため
別の湿度計を用意して比較することにしました。
比較する湿度計の種類は以下の通り
Amazon湿度計は複数あるので、3個を使用しました。
アズワン湿度計は過去から使用していたものを流用。
No | 湿度計種類 |
1 | Amazon湿度計-1 |
2 | Amazon湿度計-2 |
3 | Amazon湿度計-3 |
4 | アズワン湿度計(中古) |
5 | EMPEX湿度計 |
アズワン湿度計は高精度湿度計と記載がありました。
EMPEX湿度計はバイマテリアル式の湿度計です。
Amazon湿度計とアズワン湿度計の中身を確認すると
高分子抵抗式湿度センサを使用していました。
このセンサは、湿度変化に対して高い感度と安定性があります。。
湿気を吸収する高分子材料は、湿度に応じて体積や電気的特性が変化します。
これにより、センサの電気抵抗値や容量が変化し、湿度レベルを測定します。
一方、EMPEX湿度計のバイマテリアル式は
異なる熱膨張係数を持つ二つの異なる材料を組み合わせた構造をしています。
湿度が高い環境では、バイマテリアルの一方の材料が水分を吸収して膨張し
湿度が低い場合には水分を放出して収縮します。
これにより、バイマテリアル全体が曲がるかまたは伸び縮みをします。
この変化により、湿度計の指針が移動し、湿度を示す目盛りに応じて位置します。
これらの湿度計を使用して測定した結果は以下の通り
No. | 湿度計種類 | 室温(℃) | 湿度(%) |
1 | Amazon湿度計-1 | 17.2 | 51 |
2 | Amazon湿度計-2 | 17.2 | 51 |
3 | Amazon湿度計-3 | 17.3 | 52 |
4 | アズワン湿度計(中古) | 17.5 | 21 |
5 | EMPEX湿度計 | 18.0 | 50 |
上記の結果からアズワン湿度計が異常である可能性が高いことがわかりました。
Amazon湿度計は安い割には使えそうです。
別の日の測定結果においても、似たような傾向をしめしたので
測定系については、使用したAmazon湿度計でOKとします。
気になるアズワン湿度計を分解して湿度センサーを確認してみたところ
湿度センサーの基板が端子から剥がれ、接触不安定になっていました。
基板は容易に外れ、端子解放状態では8%の湿度表示をしていました。
接触不安定により、低い湿度を表示していたものと思われます。
よって、製作したデシケータに使用した高分子電解質膜については
測定系の問題ではなく、水分の分解能力が低下していることは変わらず
現状、湿度を約-10~15%しか低下することができず
効果が低い状態である結果に落ち着きました。
高分子電解質膜については面白そうなので
今後、進展があった時にアップしていこうと思います。