貴金属めっきの量産不具合改善プロジェクト1Project to improve mass production defects in precious metal plating1

貴金属めっきを内製化している会社からの依頼を受けました。

主に半導体関係の部品製造をしている会社になります。
部品は非常に微細なものです。
FlabRが扱っている部品と同程度の大きさになります。
サイズで言うと・・・
シャープペンシルの太さの1/5くらいの太さ
です!!

この会社は長年の経験と技術力を持ち、
すばらしい量産装置の開発に成功し
順調に量産を開始しましたが、突然不具合が頻発し
出荷に支障をきたす事態となってしまったようです。

いろいろと手を尽くしたのですが
どこに課題があるのかわからなくなってしまい
なんとかしたいとの一心で、問題解決の支援を求められました。

問題の内容は、全体的にみると約25%/月の不良率で
発生した不具合の群内は約90%以上の不良率であるとのことでした。

先方での解析結果を確認させていただいたところ
めっき被膜に特徴がみられる現象がありました。
SEMの詳細画像からの判断では
我々も過去に経験したような現象であり
ある程度の検討がつきました。

しかし、先入観は良くないので
しっかりと原因を追究してメカニズムをハッキリさせ
今後、社内で再発しないように標準化していただけるように
ステップを踏んで改善を進めて行きます。

最初のステップとして、現場確認と詳細な調査を実施しました。
現場を訪れ、全体の工程を把握し、作業手順や使用する設備
品質管理のプロセスなどを詳細に確認させていただきました。
特に、量産装置の動作状況やめっき処理の詳細を注意深く観察しました。

また、現場の作業者やエンジニアからもヒアリングを行い
現場で起こっている具体的な問題について情報を集めました。

装置は少し特殊な設計があったため、
理解するまでに時間を要したところがありました。

現場の調査結果をもとに、問題解決に向けた仮説を立てました。
その内容は、時間とめっき液温度の関係による電流密度の変化です。
装置設計が特殊であるがゆえにもたらしているトラブルと考えました。

最初は良かったが突然不具合が発生し始めたという事実は
単に生産量が増えていったことにより
ある数量の境界線を越えたあたりから
頻発し始めたと捉える方が無難であり
出荷数量との変化点をみてもある程度理解ができました。

 

次回は、仮説から実験を実施した結果について紹介していこうと思います。

 

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