ディウェッティング -4Dewetting -4

前回は、電子部品のめっきにおけるディウェッティング現象と要因、制御について触れてみました。
今回は、Au・Ag・Niめっき被膜におけるディウェッティング特性と対策について触れてみます。

Au 系被膜は耐食性と導電性に優れる一方、下地との濡れ性が弱い場合や極薄膜条件ではディウェッティングが生じやすい。

特にNi や硬質皮膜上の薄い Au めっきでは、加熱により粒界拡散を起点とした島状化が観察されることが多いです。

Ag 系被膜は自己拡散係数が大きく、低温域でも時間依存的な形態変化が起こりやすいです。また、硫黄系汚染や下地酸化の影響も受けやすく、界面不安定性が顕著に現れます。

Ni 系被膜は比較的安定ですが、高内部応力状態や微細結晶粒構造では表面起伏の成長を経て不均一化が進行します。

硬質系被膜は高融点であるものの、粒径が極めて小さい場合には粒界拡散が支配的となり、上層金属のディウェッティング挙動に間接的な影響を与えることになります。

これらの対策として、膜厚不足に対しては、臨界膜厚以上を確保することが最も有効になります。

結晶粒微細化に対しては、成膜条件の最適化や低温アニールによる粒成長促進が有効です。

界面要因に対しては、前処理の工夫、酸化膜除去、濡れ性改善を目的とした中間層の導入が有効になります。

めっき特有の非平衡要素に対しては、浴組成管理、添加剤最適化、後処理による応力緩和が重要となってきます。

特に電子部品向けでは、単一対策ではなく複合対策が必要となる場合が多いと考えます。

例えば、Au めっき接点では、適切な下地金属選定、下地表面の清浄化、Au 膜厚の余裕設計、使用温度を考慮した設計をする必要があります。

ディウェッティングは結果として現れる現象であり、その背後には必ずプロセス・材料・使用条件の複合的な原因が存在しています。

以上より、ディウェッティングは電子部品製造に直結する信頼性課題であることがわかってもらえたかと思います。

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