会社の風土-3Company Culture-3

前回の「会社の風土-2」のつづきになります。
嘘をついてしまう実態について触れてきましたが
ここで、心理面について触れてみたいと思います。

嘘をつくことで、一時的な安心感を得ることを選択してしまう考えとは・・・

嘘をつく人の動機としては、どのようなことが考えられるでしょうか?

上司からのプレッシャー、自己保身などいろいろなことが考えられます。

これは、短期的な問題解決に向けて嘘をつくことを促進しているのです。
このような体質は、組織全体の文化から生まれてくることが多いです。

ミスしたら立場が不利になる風土
ミスしたら出世の道が途絶えてしまう、遅れてしまう風土
嘘をつくことが「容認される」行為として定着してしまっている風土
嘘をつく考え方が、頭が切れる人という評価をする勘違いの風土
などなど、悪い風土は組織に広まるスピードが速いのも特徴です。

このように善悪の判断ができなくなるのは
嘘をつき続けることで、自身の行動と倫理的な信念との間に認知的不協和が生じるからです。

認知的不協和とは、自身の思考や行動と矛盾する認知を抱えている状態をいいます。

例えば、たばこは体に悪いとわかっているがやめられない。
たばこを吸うことを正当化して、認知不協和を低減しようとする状態をいいます。

不協和を解消するための自己正当化が、善悪の判断を曖昧にし
これが繰り返されると、嘘を重ねることが容易になっていくわけです。

人は社会的な環境に影響されやすく、周囲の状況や圧力に応じて行動を変えていきます。
会社組織で嘘が常態化している場合、社員はそれに同調しやすくなります。
会社内の圧力は、嘘をつくことを正当化したり、持続させる要素でもありますよね。

つまり、社員は従わざるを得なくなり、善悪の判断が困難になっていくわけです。
人は自己を守るために、嘘をつくことで、直面する失敗を避けようと考えます。
自己防衛です。

自己防衛としての嘘が、短期的に心理的安定をもたらしてくれるのです。
自己防衛のメカニズムは、嘘を正当化するための理論武装にあります。

例えば
「上司の指示だから」
「仕事だから」
「皆がやっているから」
「今だけのことだから」
という考え方が、善悪の判断を鈍らせます。

嘘を正当化してきた人がリーダーの立場になり、部下がそれに従うことで
組織に誤った風土が根付いてしまうのではないでしょうか。

つづきは「会社の風土-4」をご覧ください。

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