会社の風土-4Company Culture-4

前回の「会社の風土-3」のつづきになります。
嘘をついてしまう心理について触れてきましたが
そのメカニズムや結果について触れてみたいと思います。

品質問題における嘘が、企業に与えた影響について、具体的な事例があります。

例えば
・三菱自動車のリコール隠しは、市場において交通事故を発生し、社会的問題になりました。
・フォルクスワーゲンの排ガス不正問題
・タカタのエアバッグリコール問題
・最近ではトヨタ自動車の大規模リコール問題

トヨタは「モノづくりは人づくり」と素晴らしい考え方があるのですが
一部の組織では、隠蔽体質を抱えているというのが実態なのでしょう。

しかし、会社がそのような風土であっても、社員の中には正しい考えをもつ人もいます。

正しく考えることができる人を増やし、不正のない文化を築くことを願います。
これは会社経営陣の役目ではないでしょうか。

上記事例から学ぶべき教訓はたくさんあり
嘘をつくことが信用のリスクを増大させることを認識し
企業文化の改善に努ていただきたいです。

今回の話の発端である品質問題の報告において
嘘をつくことは、一時的な解決策にはなるものの
長期的には、企業の信頼を失墜させる重大なリスクを伴ってしまいました。

A社で発生した不具合問題における嘘は、雪だるま式に大きくなり
結果、その実態が明らかになってペナルティを課せられてしまいました。

その過程においては、会社の信用問題を回避するため
トップからの指示として部下に周知徹底されていました。
そのために、社員は計り知れない工数を使い、嘘を正当化する作業に追われました。

関係者や現場への口裏合わせ
事実とは別のデータづくりや改ざん
必要のない装置や治具の整備
必要のない作業方法の習得
などなど、現場の中は何が正しくて何が嘘だったのかがわからなくなってしまう状況でした。

結果、振り返れば
会社の信用のためについた嘘は、何倍も大きな信用失墜に繋がってしまいました。

更には、B社もC社に対して嘘をつく形になってしまい
B社からの信用は壊滅的な状況となってしまいました。

不具合の連絡を受けた時点で、真摯に受け止め
真の原因追及とその対策について報告をしていれば
お客様に叱られることと信用を失うことはあったとしても
ここまでの大きな信用失墜と会社内の風土を悪化させることはなかったでしょう。

会社の風土改革には時間がかかります。
悪化した風土で成長してきた人材が一掃するまでには長い年月が必要です。
それでも、会社内で過去の事例を隠さず、表に出して
社員に知ってもらい、風土改革を推進していくしかありません。

「会社の風土」と題して、一例を挙げて紹介しました。
例え圧力があったとしても、正しい考えを貫ける強いビジネスマンが増えてほしいと願います!

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