今回は、「水素水」と呼ばれている水についての内容になります。
水素には非常に興味があって、仕事でも水素とよくお付き合いしているので、「水素水」というワードがなんとなく気になっていました。
店舗や施設などで、「水素水あります」と書かれていて、ウォーターサーバーから出てくるものがあったりします。
本当に水素水なのでしょうか?
そんな簡単に水素が溶け込んだ水を作ることができるのか? 溶け込んだ水素の濃度はどのくらいあるのだろうか? 水素濃度はどれくらい維持していられるのだろうか? と疑問ばかりが浮かんでいました。
水素水を販売している「伊藤園」のHPに詳しいことが書かれていました。
説明内容によると、水素水とは、気体の水素(水素分子=H2)が溶け込んだ「水」のことで、アルカリイオン水、活性水素水とは異なりますとのことです。水素分子に圧力をかけて水に溶け込ませたり、水に細かい水素ガスを混ぜ合わせたりすることで「水素水」となるようです。 実際に、水に規定の濃度の水素が溶け込んだ水を作っているということがわかります。
水素は抜けやすいので、お客さんの手元に届いた時の濃度を想定して作られているようです。水素水の容器は、水素を通さないアルミニウムを使用したものを選定しているのですね。その生成方法ですが、水に高濃度の水素を加圧して吹き込むことで抜けにくい水素水ができるとのことです。高濃度とは1.6ppm以上と定義しているようです。
ここまで伊藤園のHPに書かれていた内容でしたが、水素水が人にどのような効果をもたらすのかが興味深くなってきます。
先に書いたウォーターサーバーから出てくる水は、おそらくアルカリイオン水かと思われます。提供している店員の人は、「水素水」と表示して提供していますが、ついつい気になってしまいます。飲む人もわかっていなければ「水素水」だと思い込んで飲んでいるのでしょう。
水素水を研究している組織は多くあるようです。
「水素水」の中でも、水素ラジカルや水素化物イオンが溶存しているとされる「活性水素水」と、水素分子(H2)を溶かし込んだ「水素分子水」があり、主に後者の「水素分子水」が主流になっています。
水素を体内に取り込むとどのような効果があるのかは医学的に研究され、その効果が認められているという情報があります。その効果には、抗酸化作用や抗炎症作用、抗アレルギー作用、脂質代謝改善作用、疲労回復などが期待されるとのことです。非常に興味深い内容ですね。
抗酸化作用では、水素が有害な活性酸素と結合して、それを中和還元し酸化ストレスを低減する可能性があるとされています。体内の悪玉活性酸素を効果的にすばやく消去してくれるというわけです。研究では、水素が神経変性疾患のモデルマウスで酸化ストレスを軽減し、神経細胞を保護する効果があることが示されました。
抗炎症作用では、水素水が関節リウマチ患者の酸化ストレスマーカーを減少させることが示されたようです。水素水が炎症を抑制するというわけですね。
運動後の疲労回復が促進される可能性があるという研究もあるようです。研究結果によると、水素水を摂取した運動選手において乳酸の増加が抑えられたと報告されています。
水素水が糖尿病やメタボリックシンドロームに対して影響するという内容もあるようです。水素水を飲んだ糖尿病患者において酸化ストレスの低減と一部の血糖値指標の改善が観察されたとのことです。
更には、高濃度の水素が、がん細胞に効果をもたらすという研究結果があるとのことです。
このように、医学的にも期待される水素は非常に魅力的な元素ですね。
次回は、水素水と還元水素水の違いについて考えてみたいと思います。