亜鉛めっきの耐食性に関する3回目になります。
前回はバレルめっきについての内容が主になってしまいました。
実際に支給された部品にめっきを実施する段取りに入っていきます。
お客様の部品の数量が5個という制約があったのですが、バレルめっきで実施することにしました。
FlabRのめっき方式は1個でもバレルでめっきできるので、少量にも対応できるようになっています。
しかし
部品の形状・大きさがどれも特徴があり、バレルめっき泣かせのもので極めて困難でした。
これまでの経験とシミュレーション、そして部品を使用して動きを解析してみました。
部品はどれも重心位置が偏っているので、必ずと言っていいほど一方に向いてしまいます。
さらには、形状的に部品同士が絡み合ってくっついてしまうという問題があり悩まされました。
これをバレルめっき中に逆方向に向けてあげることと、絡みがないようにする必要があり、装置を新規設計・製作してトライを進めました。
結果的には、部品の向きはおおよそランダムに向きを変えることができ、微細部品で且つ偏重心部品を容易にめっきすることが可能になりました。絡みについても、部品の動く方向をコントロールすることで絡まないようにすることが可能になりました。
さて、実際にめっき加工に入ります。
Znめつき被膜の厚さは、お客様の協力めっき会社の耐食性を考慮して、狙いを0.5~1μm高めとしました。また、Znめっきの粒子をできるだけ細かくするめっき方式を採用しました。
クロメート処理は耐食性を大幅に向上させるため、Znめっきの相乗効果で耐食性向上を狙いました。
更には、部品内のめっき厚の分布を均一化させることと、めっき厚のばらつきを極力抑えることで製作をしました。
めっき厚の狙いを高めにした理由はもう一つあります。
先日、あるお客様が社内の塩水噴霧試験を実施したところ、結果に納得いかなかったので、調査したところ、試験機に問題があったとのことでした。塩水噴霧試験機自体にいろいろな不純物質が入り込んでしまっていて、通常よりも過酷な試験になってしまっていたとのことでした。そのため、試験機の使用を中止したとの話を聞いた直後でしたので、少しだけめっき厚を厚くしたという経緯もあります。
塩水噴霧試験機に異常があるかどうかを日常点検や定期点検をして発見することは難しいですよね。
そういった視点で検査・点検をしない限り、発見できないのではないかと思います。
製造する側、開発する側の方達の苦労が、見えない試験機の異常でNGにされてしまうことは辛いですよね。
さて、耐食性試験の結果についてですが、お客様の塩水噴霧試験の結果は「高評価」をいただけたとのことでした。
我々もこの結果を聞けて非常に嬉しかったです。
今回のように、部品数量に限りがある場合でも実現するためにやるべきことを明確にし
トライすることで新たに得られることはたくさんあります。
今後も積極的にこのような案件にトライしていきます!