注意残余 -2attention residue -2

前回は、注意残余とは何か、またタスク切り替えで生じる見えない負担について触れたみました。
今回は、なぜ前の仕事が頭から離れないのかについて考えてみたいと思います。

・メールの途中で会議に呼ばれる
・設計レビューの最中にチャット通知を見てしまう
・資料作成中に別件の電話対応を挟んでしまう

このような中断と再開が多い場面を経験したことありませんか。

作業を切り替えた瞬間、意識の上では新しい作業Bを始めているつもりでも、頭の片隅では前の作業Aのやり残しが動き続けていることがあります。

この「頭の中で走り続けている考え」が注意残余であり、本来であればBを理解したり判断したりするために使うはずの集中力や記憶の余裕を少しずつ奪ってしまいます。

仕事の現場では、「会議に出ているのに資料作成の続きが気になって話が入ってこない」「別の作業に移ったのにミスが増える」「短い時間でどっと疲れる」といった形で表れますが、これは本人の気持ちの弱さや集中力不足というよりも、脳がうまく作業モードを切り替えきれていない状態だと考える方が自然です。

この仕組みをさらに分かりやすく理解する手がかりとして、注意残余と関係の深い「ツァイガルニク効果」があります。

ツァイガルニク効果とは、仕事や課題がすべて終わっている場合よりも、途中で止まっている場合の方が、その内容が記憶や注意に残りやすいという心理的な現象です。

そのため、やり残した作業があると、別の仕事をしている最中でも「さっきの続きはどうなっているだろう」といった考えがふと浮かび、今やっていることとは関係のない思考が割り込んできます。

こうした割り込みは集中を妨げ、結果として作業の質や効率を下げてしまいます。

注意残余は、このような「未完了のことが気になり続ける心の動き」と、作業を切り替えるときの脳の負担が重なって生じるものだと捉えると、理解しやすくなります。

次回は、注意残余が強まる心理的要因について触れてみたいと思います。

 

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